第19回(2010/06/20) 永井 孝尚
IBMのソフトウェア戦略 (その2) |
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前回、IBMソフトウェアがSmarter Planet実現のために提供している価値を紹介しました。
今回は、IBMソフトウェアがこのようなソリューションをご提供するための戦略を紹介します。 |
大量のトランザクションを実行し管理するIT基盤の信頼性や、セキュリティの堅ろう性に対するニーズは、企業がITを活用する限り変わることはありません。
そこでIBMソフトウェアは、一貫して企業におけるミッション・クリティカル分野に焦点を絞り、企業システムの基盤であるミドルウェア分野に製品を提供しています。
具体的には、次の5つの投資領域を定義し、それぞれの領域に対応するブランドによって、ITインフラの柔軟性、信頼性、パフォーマンス、費用対効果の向上を図っていくのが、IBMソフトウェアの戦略です。
・情報統合と分析(ブランド: Information Management & Business Analytics)
・コラボレーション(ブランド: Lotus)
・ソフトウェア・ライフサイクル管理(ブランド: Rational)
・サービス管理(ブランド: Tivoli)
・システムの連携(ブランド: WebSphere)
一方で、お客様は様々な業界特有の業務要件を持っておられます。
そこでIBMは、業務アプリケーションを提供されるアプリケーションソフトウェア会社様と密接な協業関係を構築し、その基盤としてIBMミドルウェアを提供、お客様が信頼性が高く堅牢なシステムを構築するのをご支援しています。 |
お客様の多様なご要望にお応えするために、IBMは2つのアプローチで品揃え強化を図っています。
まず、自社開発です。
IBMソフトウェア事業はグローバルで5万人のスタッフを擁します。そのうち半分がエンジニアです。
この強力なテクノロジー・チームが、IBMがグローバルに展開する3,000人を擁する基礎研究所と連携し、製品開発やお客様プロジェクトのご支援を行っています。
IBMは17年連続で特許出願数は世界最多でした。2009年の特許出願数は4,914件でしたが、そのうち70%はソフトウェアとサービス関連です。これからも分かるように、ソフトウェアの世界では、IBMは世界ダントツでナンバーワンの研究開発力を持っています。
一方で、お客様の要望は実に幅広く、IBMだけの研究開発スタッフだけでは、必ずしも十分に対応できません。
そこで、積極的にソフトウェア会社を買収しています。1995年から2010年までの15年間で、約80社のソフトウェア会社がIBMソフトウェアに統合されました。IBMソフトウェアの進化は、統合を通じてIBMソフトウェアの一員となっていただいた人々に支えられています。
また、IBMのパルミサーノ会長は、2010年5月12日の投資家説明会で、2015年までの5年間で主にソフトウェア会社を中心に買収に200億ドル(1.8兆円)を投資していくと明言しました。
IBMは今後も全社戦略としてソフトウェア会社の買収を行い、品揃え強化を図っていきます。
さらに、協業戦略を推進するために、オープン化も強力に推進しています。IBMミドルウェアは、IBMの4つのハードウェアプラットホーム(System Z, System X, Power Systems, i) に加え、Sun/HP/Linuxの上でも稼働しますし、業界のオープンスタンダードもサポートしています。
これらの施策を推進してきた結果、IBMの5つのブランドは以前とは全く異なる姿になっています。
例えばInformation Managementは、以前はデータベースDB2が主体でした。現在は、BAOのインフラに進化しています。
Lotusは、以前はNotesが主体でした。現在は、ポータルやソーシャルソフトウェア等のコラボレーションのインフラに進化しています。
Tivoliは、以前はIT運用管理が中心でした。現在はITにとどまらず、Maximoのように企業資産全般管理を行ったり、NetCoolのように企業全体のネットワークを管理したり、クラウドソリューションのインフラを提供する、といったように、サービス全般の管理を行うように進化しています。
Rationalは、従来はソフトウェア開発ツールが中心でした。現在は、ソフトウェア開発ツールの一部はEclipseのようにオープンソース化され幅広いユーザーに活用される一方で、ソフトウェアライフサイクル全般を管理するインフラに進化しています。例えば、日本・中国・インドというようにグローバルに分散したソフトウェア開発プロジェクトで、同時並行開発を支援します。
WebSphereは、従来はアプリサーバーが中心でした。現在はITインフラによるプロセス全体の管理を行ったり、ILOGのように最適化ソリューションを提供する形に進化しています。
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IBMソフトウェアは、IBMのSmarter Planet戦略を実現する基盤であり、今後の社会基盤を構築するにあたって必要不可欠な機能を提供していきます。
IBMソフトウェアは、IBM全社戦略の要として、今後も継続投資が行われ、新しい社会インフラを実現するためのIBM Smarter Planet戦略実現を推進してまいります。 |
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1984年IBM入社、大和研究所にてソフトウェア製品の製品企画、プリセールス、製品開発マネージャーを担当。1998年からマーケティングマネージャーに転じ、CRMソリューションやeビジネス・ソリューションのマーケティングを担当する。2007年からソフトウェア事業部にてソフトウェア戦略担当マーケティングマネージャー。
著書:『戦略プロフェッショナルの心得』『朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力』
ITmediaオルタナティブブログで執筆するブロガーでもある
(「永井孝尚のMM21」 http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/ ) |
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