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モバイル機器とアプリケーションプラットフォーム
2011年02月23日掲載
1.はじめに
 2月14日より世界最大の通信機器ベンダーのショーケースであるモバイル・ワールド・コングレス(MWC)がスペインのバルセロナで開かれました。MWCでは、世界中の携帯機器メーカー、通信機器メーカー、ネットワーク図 1 GALAXY SIIの発表事業者、アプリケーション開発メーカー等が一同にあつまり最新技術の紹介を行うとともに、様々な基調講演も行われ、日本からはドコモ社の山田社長やソフトバンク社の孫社長が講演されました。新しい携帯端末も数多く発表されましたが、特に目立っていたのは韓国のサムソン社とLG電子社、そして様々な開発者を集めたAndroidのブースでした。サムソン社はAndroidを採用した超薄型のスマートフォンであるGALAXY SIIを満を持して発表し、そのブースの大きさも最大級のものでした。快適な操作性と応答性を持ち、その薄さも相まってとても洗練されたスマートフォンです。また、LG電子は、同じAndroidを利用して、スマートフォンに3Dの技術を導入したOptimus 3Dを発図2 LG Optimus 3D表しました。ARM社のCoretex-A9 Dual Core 2 (1GHz)を採用し、HDMIおよびDLNAで3Dテレビとコンテンツを共有し、フルハイビジョンと言われる1080pでの録画・再生を可能にしたもので、パソコン同等の機能を提供していると言えます。図2がOptimus 3Dの写真です。画面左の方の少しぼけて見える部分が3Dの部分で、肉眼で見ると奥行きがわかります。日本からはあまり大きな発表はなかったのですが、そ図3 PLAYSTATION携帯のなかで唯一、ソニー・エリクソン社がソニー社のゲームの技術を導入した、とてもユニークなPLAYSTATION携帯を大々的に発表していました。スライド式になっており、スマートフォンの下部を引き出すとキーボードの代わりにPLAYSTATIONでお馴染みのコンソール現れる仕組みです。画面の応答性もよく、十分ゲームも楽しめると思います。実はこれもAndroidを利用しているのです。
  このように、様々なスマートフォンの進化のベースとなっているAndroidですが、もちろん、そのパワーはMWCでも十図 4 Androidブースにて分に発揮されていました。Google社は敢えて“Google”としてではなく、”Android”としてブースを設けていましたが、そこにはアプリケーション開発にフォーカスを当ててより一層Androidを広げていこうとする同社の姿勢がうかがえました。また、Androidを採用した携帯端末メーカーのブースにはお馴染みの緑色のAndroidのロゴと配布用のピンバッチが置かれ、その広がりが参加者に手に取るようにわかるようになっていました。
このようにAndroidを中心にスマートフォンは進化し続けていますが、この流れにあえて逆らっている会社が一社だけありました。世界最大の携帯電話メMWCにおけるMeeGoのブースーカーであるフィンランドのノキア社です。それも、その基調講演で発表された内容はある種、衝撃的なものでした。ノキア社のスマートフォンはSymbianOSをベースとし、その上にSeries 60(現S60)[1]と言うアプリケーションプラットフォームを載せたものを採用しています。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、これだけiPhoneやAndroidが出てきても世界でのシェアはゆるぎなく、依然として最大シェアを誇っています。また、同社はタブレット用にはインテル社と共同開発したMeeGo[2]と言うLinuxをベースとしたアプリケーションプラットフォームを持っています。そのノキア社の発表は、マイクロソフトのWindows Phone 7(Windows Mobileの後継)を採用するというものでした。これには、スマートフォンの進化の一旦を担っているアプリケーション開発者のコミュニティの大きさという観点もあるのではと思います。Androidの広がりはそれに伴うアプリケーション開発技術者の爆発的な増加を促していますが、近い将来一社だけのS60では新規アプリケーションと言う観点で後塵を拝すると考えたのかも知れません。それだけAndroidのインパクトは大きいのです。
2.携帯端末の種類とアプリケーションプラットフォーム
 このように、Androidを中心にスマートフォンは進化し続けていますが、アプリケーションプラットフォームという観点で日本における携帯端末を整理したのが図6になります。
図 6 携帯端末とアプリケーションプラットフォーム
 携帯電話には、一般的に“Volume Phone”と言われる音声を中心とした比較的安価で発展途上国等で多く使われる携帯電話と、様々なアプリケーションを載せることができるスマートフォンの2つに分かれていました。そこで日本独自の進化をしたのが高機能携帯電話で、カメラやマルチメディアを取り込み、i-Modeのような独自のインタネットアクセスを提供してきました。近年ガラパゴス携帯と言われるようですが、実際ヨーロッパのように国が隣接しているところではローミングが必須ですので、まずは標準作りから始まります。島国である日本ならではの進化と言えます。アプリケーションが多彩になるにつれ、アプリケーションプラットフォームの必要性が生じ、ドコモ社はFOMAのためにMOAP(Mobile Oriented Application Platform)を開発しました。SymbianOS版とLinux版があります。 ノキア社は前述のSeries 60を利用したスマートフォンを10年以上前から展開しており、タブレット用にはLinuxをベースとしたMaemoと言うアプリケーションプラットフォームを作り上げていました。インテル社は、自社のATOMと言う省電力プロセッサー用にやはりLinuxベースのMoblinと言うアプリケーションプラットフォームを提供していたのですが、2010年にノキア社のMaemoと統合し、新たにLinux FoundationにおいてMeeGoとして再出発させました。そして、一連のLinuxをベースとしたアプリケーションプラットフォームをより広めたのがGoogle社のAndroidになります。
Androidは前述のようにLinuxを採用し、ApacheプロジェクトのひとつであるHarmonyをベースとしたDalvik仮想マシンを実装しアプリケーション・フレームワークを提供しており、その実装のほとんどがAndroid Open Source Project[3][4]として公開されています。これにより、ハードウェア・ベンダーにとっては携帯電話事業への参入障壁が低くなり、ソフトウェア・ベンダーにとっては水平分業による携帯電話へのサービスも飛躍的に増えました。実際、今年のMWCでは中国等から様々な新規携帯端末メーカーが参加してきて、Androidを採用したスマートフォンやタブレットを出展していました。 
3.広がり行くAndroidとシームレスな世界の到来
 スマートフォンのアプリケーションプラットフォームとして誕生したAndroidですが、スマートフォン以外の様々な機器にも利図8 Android TVの発表用され始めています。タブレットや車載器はもとより、TVへの利用も多くみられるようになりました。実際、MWCにおいても様々な会社からAndroid TVが発表されています。近年のデジタルTVのほとんどが実はLinuxをベースとしていますので、Androidが搭載されたからといって特筆すべきものではないのですが、その広がりの速さには驚きます。ただ、これらは、2010年にSONY社とGoogle社で発表したGoogle TV[5]とは多少異なっていると思います。GoogleTVは単なるAndroidのTVではなく、検索という強みを生かして放送側のコンテンツとYouTube等のインターネット側のコンテンツを同一レベルで扱う“簡素化”されたコンセプトの実現と、“Android Market”での成功の横展開にあると思います。
このようにアプリケーションプラットフォームとして幅広い展開を見せるAndroidですが、その裏で各社が注目しだしているのが、携帯・TV等へのサービスのシームレスな統合です。MeeGoにおいても車載器とTVへの実装が紹介されていましたが、各社が注目しているのはアプリケーションプラットフォームのポータビリティではなく、その結果として提供されるサービスなのです。近年、国内外の様々な企業から、“Three Screens”という言葉を耳にする機会が増えてきたのではと思います。米国では、ケーブルTV会社やAT&T社,マイクロソフト社[6]等が強くメッセージを打ち出していますし、日本ではNHKが注目しています。MWCにおいては、通信機器メーカーのノキア・シーメンス社でさえ“Multi-screen Broadband”というタイトルでネットワークの垣根がなくなることを力説していました。この“Three Screens”とは、TV、PC、携帯電話という身近な3つの画面を指しており、スマートフォンの進化とアプリケーションプラットフォームの横展開により、放送とインターネットの融合が再び注目されてきたことに他なりません。“Three Screens”に対するサービスは、いままでのように垂直統合型のクローズな世界から、サービスの連続性を実現し水平分業を実現するようなオープンな世界に変わりつつあります。IBMはLotusを中心として携帯端末を広くサポートし[7][8]、マルチスクリーンへのシームレスなサービスを実現するためにクラウド事業に力を入れています。
参考文献
[1] Nokia Series 60,
http://en.wikipedia.org/wiki/File:S60_3rd_Edition_from_N73.jpg外部サーバー
[2] MeeGo,
http://meego.com/外部サーバー
[3] Android Open Source Project,
http://source.android.com/外部サーバー
[4] Android Portal (Embedded Linux Wiki),
http://elinux.org/Android_Portal外部サーバー
[5] SONY: 世界初、“Google TV”プラットフォーム採用、Sony Internet TVを米国で発売, http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201010/10-140/外部サーバー
[6] Microsoft: “Three Screens and a Cloud”,
http://www.microsoft.com/showcase/en/us/details/
1d101bc4-916a-4c13-86fd-9c23fb7cd0b7
外部サーバー
[7] Mobile collaboration and wireless software,
http://www.ibm.com/software/lotus/category/mobile-wireless/外部サーバー
[8] モバイル関係のパートナーソリューション(Lotus),
http://www.ibm.com/innovation/jp/smarterplanet/smart_work/
collaboration/decoco/bpsolution/index3.html
外部サーバー
浅井 信宏氏 顔写真 浅井 信宏(あさい・のぶひろ)

日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア開発研究所 
ディスティングイッシュト・エンジニア(技術理事)
1984年 日本アイ・ビー・エム入社  オペレーティングシステム、オフィスコンピューター、通信機器、通信ソフトウェア、システム管理製品等、様々なソフトウェア製品の開発およびアーキテクチャ設計を担当し、米国IBM赴任中には携帯端末等のパーベイシブ(ユビキタス)機器管理ソフトウェアのアーキテクチャ設計を担当する。 家電向けLinuxの開発推進団体であるConsumer Electronics Linux Forumのチェアマンを2009年より務める。


 
 
 
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